第6日目
昨夜終了時点でご依頼者に簡単に報告すると彼女の身元調査もしたいという。
これは第2日目に彼女のフルネームが確認された時点でご依頼者に進言していた調査であるが、本日もこれまで通り彼氏の浮気調査は継続である。
非常にありがたいことだが、正式な妻ではないので裁判に持ち込むことは出来ないし慰謝料を請求する権利もない。
これ以上の調査継続はご依頼者の気持ちの問題としか言えない。
8時には彼氏の自宅前に到着、定刻の8時20分に車で出る。昨夜は多分早くても2時頃に就寝したはずである。
しかし、タフな60歳だ…
まっすぐに出社した。張り込んでいるとご依頼者から連絡が来た。お昼にご依頼者宅に来るらしい。今日は彼氏が来ても打ち切らずにそのまま続行してほしいとの事であった。
11時35分に彼氏が勤務先より車で出た。ご依頼者宅方面に向かっている。12時前にはご依頼者宅近くのコインパーキングに車を止め、マンション内に入っていった。
ご依頼者宅には5日ぶりである。以前はたまの土日を除き毎日来ていたと聞いていたのでやはり少なくなっているのは確かだ。
16時過ぎにご依頼者と一緒にマンションより出て、彼氏のみ車に乗る。
ご依頼者は毎回パーキングまで見送りに出ているようだが、3号の愛人がマンション1階に降りてきて見送ったのは一度も見たことは無い。
ご依頼者によれば彼氏は1時間半ほど昼寝をしていたようである。やはり昨夜の夜更かしが効いていたのか。追尾を続けると勤務先に戻ってしまった。
小1時間ほどで彼氏は勤務先より車で出る。そして彼女との待ち合わせ場所である銀座1丁目交差点近くに5時半に停車、すぐに彼女が来て車に乗り込む。
ものの3分ほどで銀座の地下駐車場に車を止め、ブランドショップや高級貴金属店を見て回る。
そして18時半過ぎに寿司屋に入った。銀座ではけっこう有名な寿司店である。やはり車で来ているので飲まなかったのだろう。1時間を少し回ったほどで2人は出てきた。
そして駐車場に行き、走り出る。彼女のマンション近くのコインパーキングに車を止め、20時15分には2人でマンションに入る。
22時5分過ぎに彼女のマンションより彼氏のみが出てきた。やはり1階までも見送りに出てこない。彼氏は1人でパーキングに行き、車に乗車、まっすぐ帰宅した。
第7日目
第7日目木曜日、今朝も8時に彼氏の自宅前から調査を始める。
会社の経営者なのに殆ど定時の出勤である。今朝も8時20分に車で出勤、会社に向かった。そして11時20分に会社から車で出て、11時半には銀座1丁目のいつもの交差点前に行き、彼女を乗せた。
一緒に昼食だろう。案の定、近くのシティホテルに行き、レストランで一緒に食事である。13時少し前にレストランを出た2人はそのホテルのショッピングフロアーでブティックや宝石店などを見始める。
そして14時にホテルより出て14時10分に女性の勤務先近くで女性を降ろし、彼氏はそのまま勤務先に戻った。
しかし、この女性の勤務先はどうなっているのだろうか?余りにも自由すぎる。
16時45分に男性社員が運転し、後部座席に乗った彼氏が乗った車が会社より出た。
これは後で飲酒する可能性がある。すると銀座のシティホテルの前で彼氏のみが降車してホテル内に入り、車はそのまま走り去る。
ホテルに入った彼氏は喫茶室に行き、既に来ていた25歳前後の若い女性と合流する。
見るからにホステスっぽく派手な印象ではあるが、かなり親しい感じは伺える。すかさずこちらも写真を撮影する。
すると若い女性からプレゼントらしき紙袋を受け取る。早速、彼氏が紙袋から品物を取り出し、開けて見ている。ワインと小物であった。若い女性は海外旅行へ行ったのか、そのお土産のようだ。
20分ほどで2人は喫茶室からホテルを出て腕を組みながら歩いていく。そして高級ブランド店に入る。20分ほどでブランド店の紙袋を持った女性と共に出て来た。彼氏もプレゼントをしたのだろう。
そして今度は手をつなぎながら銀座の街を歩いていく。同伴のホステスでも余程親しくないとなかなか手はつないでくれない。
もしかして愛人4号の登場か…
と思いつつ尾行を続ける。
18時15分、前回、愛人3号さんの女性と行った寿司店とは別の高級寿司店に入った。20時を少し回った時に2人は寿司店より出てきた。多少、お酒を飲んだのだろう。彼氏は顔が赤らんでいる。
そして、やはり高級クラブに2人は入ったのである。調査期間中には彼氏は一度も行っていない初めての店である。この若い女性の勤務先なのかもしれないと思いつつ張り込みを始める。
22時になろうとした時に彼氏が若い女性や数人のホステスさんに見送られ出てきた。ところが若い女性も荷物を持っており、一緒に退店したのである。ホステスではないのか、自分の推測が外れた事で裏切られたような気分がしていた。
銀座はどこでタクシーを拾うかによって尾行の成功率が左右される事が多いが、運が良いことにまだ時間も早く、空車も多く並んでいた近くのタクシー乗り場から2人は一緒にタクシーに乗ってくれた為、こちらも後続のタクシーに乗れ、調査車両も少し遅れてついてこれた。
錦糸町駅でタクシーより2人は降車、なんと近くのラブホテルに入った。本当にタフな60歳である。
親子以上に年の離れた新しい愛人が登場。
男性として羨ましいかぎりではあるが、やはり金がモノを言うのであろう。
第7日目にして愛人4号らしき女性と共に錦糸町のラブホテルに入った。バッチリと写真撮影は成功。
さぁ、何時に出てくるか。
今までのパターンだとそんなには遅くならないがこの時間のラブホテルだとだいたい宿泊料金である。遅くなる覚悟もして張り込みを始める。
すると2時間ちょうどで出てきた。写真を撮影する。
0時を30分ほど回っている為に空車が少ない。ぶらぶらと駅前のタクシー乗り場に行き、一緒にタクシーに乗るのかと思っていたが女性のみが乗車。こちらは女性の乗ったタクシーを尾行する。彼氏も後続のタクシーに乗ったのだろうが気にしていられない。調査対象を女性に絞る。
すると千葉県の浦安市内の新興住宅地域の一軒家の前に停車、そのままその一軒家に入っていった。表札と住所を確認しこの日の調査を打ち切る。
依頼者に報告すると、
そうですか。やはり別の女性もいましたか。明日からその女性をマークしてください。そして勤め先や名前なども調べてください。
と指示され、明日は朝7時からと開始時間を提示し早々に引き上げた。
投稿者プロフィール
- 探偵歴30年を超えるベテラン探偵。現在は主に依頼者の相談を担当。
最新の投稿
- 探偵の記憶2021年2月2日愛人からの浮気調査依頼・その6(完)
- 探偵の記憶2021年2月1日愛人からの浮気調査依頼・その5
- 探偵の記憶2020年9月4日愛人からの浮気調査依頼・その4
- 探偵の記憶2020年8月19日愛人からの浮気調査依頼・その3
コメント