姉妹の家出調査・その8

再会 探偵の記憶

再会

https://argus-research.org/blog/iede7

正午前に依頼者である母親に電話する。娘さん2人の居住先がそれぞれ判明した事を伝える。

「本当ですか?2人ともですか?」と聞き直してくる。

「本当です。2人とも元気にされています」と伝えると「本当にありがとうございます」とのお礼の言葉を掛けてくれた。

結果を岡山県までお持ちしますか、と尋ねるとすぐにでも上京する、上京する日時を決めてから折り返し電話をくれるという。但し、姉妹とも水商売をしている状況を伝える。確実に姉妹を押さえるなら平日の昼の方が良いかもしれないと話を加え、電話を切った。

午後、4時過ぎに電話がかかってきた。明後日の日曜日に父親と一緒に上京するという。

「ご主人もご一緒ですか。内緒にされていたのでは」と尋ねると、全てを話し、2人が見つかった事で父親としても一緒に上京する事を望んだという。やはりなんだかんだと言っても娘達の父親である。かなり心配をしていたのだろう。

朝一番に出るので昼前後には東京駅に着くと言うので時間が判れば東京駅まで迎えに行くと伝える。翌日の土曜日にも電話が入り、12時20分着の新幹線で到着するというので12時25分に東京駅八重洲北口で待ち合わせをする。日曜日の12時25分には八重洲北口改札前で待っているとご夫婦で依頼者がやってきた。そして近くのホテルの喫茶店に入る。

依頼者である母親と当初は調査を拒否していた父親が共に上京、ホテルの喫茶店でまず撮影した姉妹の写真を見てもらう。

姉妹に間違いはなかった。母親は様子の変わった姉妹を見て涙している。そして調査の経緯と状況を説明していく。

調査結果には納得してもらった。良く見つけてくれたと母親は涙しながら喜んでいる。それも当初の依頼では姉妹のどちらかでも良いとの事であったが、2人の居所を掴んだという結果にも大層喜んでくれている。

これからどうするかという話になり、まずは姉から会いに行き、話をした方が良いと説明する。妹のマンションはオートロックである。それに友人との同居という環境である。

実は姉と妹の居所にサービスとして調査員を11時から張り込ませていると説明する。もし居所から移動してもご両親との面会に役立てればと思っての事であったが、このサービスにも喜んでくれ、早速に姉の居所であるアパートに車で向かう。

現場の調査員からはまだ外出はしていないという。2時前にはアパート前に到着する。男性と同棲している事もあり、部屋に直接赴くか、出てくるまで待つか考えた結果、しばらく待つ事とする。

すると10分くらいで姉が1人で出てきた。なんという幸運か。すかさずご両親が声を掛ける。驚く姉。でも逃げなかった。しばらく立ち話をするが母親は泣いている。そして姉も。

近くで様子を伺っていたが、立ち話も何だから姉の部屋か近くの喫茶店で話されたらと提案する。姉は部屋は嫌だと言い、喫茶店に向かう。多分、同棲相手の男性がいるのだろう。

親子3人で喫茶店に入り、私たちは外で待機する。すると妹の張り込み班から妹がルームメイト2人共に外出したという。とりあえず尾行を指示する。

姉妹の家出調査・その9(完)
姉妹と再会ご両親と姉は約1時間、喫茶店にて話をして3人で出てきた。姉はご両親に手を振り、別れた。妹についても姉は正直に話をしたという。こちらが調べた通りの情報であった。ショークラブで借り上げたマンションの1室で同僚と共同生活をしているという

投稿者プロフィール

totoro
totoro
探偵歴30年を超えるベテラン探偵。現在は主に依頼者の相談を担当。

コメント