結婚後調査・その１

長年、探偵をしているといくつか印象の残っている調査がある。

詳細や実名は書けないからフィクション的な部分もあるがなるべく事実に沿って書いてみようと思ってます。

１５年くらい前だったと記憶している。

事務所に電話が入り、探偵トトロが応対、中年女性の声で「結婚調査を頼みたい、今から事務所に行っていいか」というので「お待ちしています」と切ってから、３０分も経たないうちに６０歳位の母親と３０歳位の娘が訪ねてきた。

電話で少し話をしているのでそのまま探偵トトロが接客応対した。

母親から「結婚調査をお願いしたい」と電話通りの申し出であった。

多分、同席した娘の交際相手についてだろうと想像して結婚調査について説明を始めたのが途中で娘の左手薬指に指輪がしてあるのに気が付いた。

娘に正式に婚約をしたのですかと訪ねると、「いえ、私は結婚して半年の新婚です」という。

それでは娘の兄弟の縁談かと思い、説明を続けるも母と娘は顔を見合わせ、困った顔をしている。

「何か？」

あっ、余談ですが婚約指輪は、結婚指輪と同様に左手薬指にするそうですよ。

結婚式当日は右手にはめて、結婚式が終わったら、婚約指輪を左手薬指に戻して、その上から結婚指輪をするのが正式みたいですよ。

ためになったねぇ。

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