第2日目
第2日目は8時30分に依頼者宅前に到着、ベランダで洗濯物を干している対象者を確認する。
依頼人の夫から連絡が入り、「昨日、尾行したのは本当に妻ですか?」と尋ねられる。
「間違いなく奥様です。預かった写真とそっくりで昨日の行動において要所要所で写真も取っていますので確認されますか?昨日の女性は今、ご自宅のベランダで洗濯物を干されていますよ」と伝える。
実は昨夜、「今日は急な仕事が多く、忙しかった」と言われ、パートに出ていたという。思わず、問い質そうとしたが堪えた。との事。
「なんで嘘を付く必要があるのか判らない。とりあえず今日もお願いします」と電話を切られた。
確かに休んだことを隠すのだろうと疑問を感じながら、張り込みを続けると9時半になっても出てこない。
10時少し過ぎに小綺麗な服装で出てきた。10時出勤のはずなのに今日も休みなのかと思いつつ尾行を開始する。
松戸新田駅から松戸行き電車に乗り、松戸駅からJR常磐線に乗り換え、上野行き電車に乗る。やはり休みのようである。
今日は日暮里駅で下車し山手線に乗り換え、鶯谷駅で下車した。
そして11時前には駅から歩いて5分ほどのマンションに入り、エレベーターで4階に上がる。
一緒にエレベーターに乗れなかった為、時間差で4階に行くと6部屋あるがいずれも表札は出ていない。浮気相手の家かもしれないと思いながら張り込みを続ける。
ものの20分も経たない内に1人で出てきた。家から持って出たバックとは違う大きめのバックを持っている。
そして、あろうことか鶯谷駅周辺にあるラブホテル街へ入り、1軒のラブホテルに入ったのである。
デリヘル嬢???
思わず絶句したが、目立たない様に撮影する。
なぜ1人でラブホテルへ。
状況から推察するといわゆる「デリヘル(ホテヘル)嬢」と思われるがまだ断定は出来ない。
1時間半経ってから中年男性とラブホテルより出てきた。写真を撮影する。簡単に会釈して男性と別れる。
通常、相手男性を尾行して身元を特定するものであるが、今回は当職の判断で対象者をそのまま尾行する。
コンビニにより飲食物を買って前出のマンションに戻った。それから20分ほど経ってからまた1人でマンションより出てきたのである。そして先ほどとは違うラブホテルに入る。同所でもきちんと撮影はしておく。
決定的である。間違いなく性的サービスをする風俗嬢の仕事をしている。
2時間近く経った15時20分頃に別男性と共に出てきたが、今度は何も言わずにすぐに別れる。ここでもきちんと撮影をしておく。
そして再び同じマンションに戻ったのである。
16時になって1人で出てきたが家から出た時のバックを持っている。鶯谷駅に入り、日暮里に出て、常磐線に乗り換え、松戸駅に行く。
松戸駅では新京成線に乗り換えせずに改札を出て東口にむかう。そして近くのカフェに入る。誰かと待ち合わせかもしれない。
誰にも接触する事無く、30分くらいで出てきた。近くの雑居ビルに入り、3階のピアノ教室に入った。そして10分ほどで女の子を連れて出てきた。娘を迎えに来ていたようだ。
2人で新京成線に乗り「松戸新田」で下車、駅前の大型スーパーに寄り、買い物をして19時前には帰宅したのである。
こんな展開になるとは予想をしていなかったものの、依頼者である夫には正直に伝えなくてはならない。依頼者の気持ちを考えると憂鬱になる。
投稿者プロフィール
- 探偵歴30年を超えるベテラン探偵。現在は主に依頼者の相談を担当。
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